私は長いこと冷え性に悩んできました。冬は手足が冷たくてこわばるし、朝いちばんに冷たい水を飲むと体がきゅっと縮こまる。そんな時期から青汁を温めて飲むようになったのですが、最初に引っかかったのが「青汁って熱に弱いんじゃないの?」という疑問でした。せっかくの栄養がお湯で消えてしまうなら、わざわざ温める意味がない。同じところで足踏みしている人は多いと思います。
結論から書きます。温めても青汁の価値はほとんど落ちません。なぜそう言えるのか、栄養の中身を一つずつ見ていきます。
「熱に弱い」は半分だけ本当
青汁の原料は大麦若葉やケールといった緑の野菜です。野菜の栄養がまるごと熱で飛んでしまうわけではありません。加熱に弱いのは、数ある栄養素のうち一部のビタミンに限られます。
具体的には、ビタミンB1とビタミンCが熱の影響を受けやすい栄養素です。逆に、ビタミンA、ビタミンE、食物繊維、ミネラルは加熱されてもほとんど影響を受けません。ビタミンの性質ごとの違いは厚生労働省のe-ヘルスネットが公的な情報としてまとまっています。
つまり「熱に弱い栄養もあるけれど、熱に強い栄養のほうがずっと多い」というのが正確なところです。一部だけを取り上げて「青汁は熱に弱い」とくくってしまうのは、少し乱暴な話だったわけです。
ビタミンCが減る、本当の理由
ここで誤解されがちなのがビタミンCです。実はビタミンCが減るのは「熱」だけが原因ではありません。ビタミンCは水に溶け出す水溶性ビタミンなので、冷たい水でもお湯でも、溶かした時点で一定量は水のほうへ移ります。温度というより「水に溶ける」という性質そのものの問題なのです。
調理のしかたで栄養素がどう失われるかは、農林水産省の資料でも野菜を例に触れられています。野菜を茹でこぼすとビタミンCが煮汁に逃げる、という話を聞いたことがある人もいるはずです。あれと同じ理屈です。
ただ、青汁の場合は事情が違います。溶け出したビタミンCはコップの中の飲み物にそのまま残っているので、煮汁ごと飲み干す形になります。捨てる工程がないぶん、損失を神経質に気にする必要はありません。
粉末青汁は、もともと加熱済み
もう一つ知っておくと安心なのが、市販の粉末青汁は製造の段階ですでに加熱処理を通っているという点です。一度加熱を経た粉末を自宅でもう一度お湯に溶かしたところで、栄養価が大きく変わることはほとんどありません。家庭で温める程度の熱で、ガクッと栄養が落ちる心配はないと考えてかまいません。
それでも気になる人は、ぐらぐらの熱湯ではなく人肌程度のぬるま湯で溶かすと、よりやさしく仕上がります。私自身もいろいろ試して、この飲み方に落ち着きました。温度の目安や、ミルク・生姜を加えたアレンジの具体例は、青汁をホットで楽しむコツをまとめたページが参考になります。
私の定番ホットアレンジ三つ
温めると言っても、お湯に溶かすだけでは飽きてしまいます。続けるうちにたどり着いた、お気に入りの飲み方を紹介します。
一つめはホットミルク割り。温めた牛乳に溶かすと、抹茶ラテのようなまろやかさになります。青汁の青っぽさが苦手な家族も、これなら飲めると言ってくれました。二つめは生姜を少し加える飲み方。すりおろした生姜やチューブの生姜をひとつまみ入れるだけで、体の温まり方がはっきり変わります。冷えがつらい日はこれ一択です。三つめは豆乳とコンソメを合わせたスープ仕立て。甘い飲み物に飽きたとき、おかず代わりのような感覚で飲めて重宝しています。
どれも特別な材料は要りません。冷蔵庫にあるものでその日の気分に合わせて選べるのが、温かい青汁の気軽なところです。
温めると、こんなにうれしい
栄養がちゃんと残るだけではありません。温かい青汁には、冷え性の私にとって実感できるメリットがありました。
体が内側からじんわり温まって、巡りがよくなる感覚があります。冷たい飲み物だと胃に負担を感じる人にも、ホットはやさしい。夜にゆっくり飲むと気持ちがほどけて、眠りに入りやすくなるのも気に入っています。寒い朝、コップを両手で包みながら飲む時間は、それだけで一日のスタートが少し優しくなります。
青汁は冷たくして飲むもの、という思い込みを一度外してみてください。続け方の幅がぐっと広がります。「熱に弱い」という言葉に振り回されず、自分がいちばん続けやすい温度で飲む。それが結局いちばん正解です。冷えが気になる季節は、温かい一杯から始めてみてください。


