今後、社会保障費はどこまで上がっていくのか?

社会保障費について見ていく

社会保障費用は、2012年度には年金53.8兆円と医療35.1兆円及び介護8.4兆円などの109.5兆円でしたが、2025年度にはGDPの24.4%に相当する148.9兆円まで増加すると予測されています。

2040年には、年金給付にかかる費用が2018年の1.3倍の73.2兆円まで増加すると推測され、医療に係る費用が年金を上回る1.7倍に相当する66.7兆円まで増加すると共に介護に係る費用が2.4倍に相当する13.1兆円まで増加する事から総額190兆円に達すると推測されているのが現状です。

現在の社会保障は、現在国庫からの32.2兆円と保険料66.3兆円及び地方負担13.1兆円の約112兆円に加え、資産収入によって賄われています。
しかし、昭和45年頃には、1人に対する給付額が35,000円と少額だった実情に対して2016年には1,180,000円を超えているのが実情です。

高度成長期の終焉を迎えたバブル経済崩壊期の1990年には、生産可能な20歳から64歳の人口7,641万人に対して65歳以上の高齢者が1,493万人と5人で1人の高齢者を支える社会構造でしたが、2013年には生産可能な年齢層2人で1人の高齢者を支える社会構造に変化しているのが現状です。

60歳の定年時期の延長と共に年金の60歳給付開始を65歳に遅延させる

日本の人口は、高度成長期を支えた団塊の世代が高齢者となっている現在の3,459万人よりもさらに増加するとされ、27年後の2040年には400万人以上多い3,868万人に達すると予測されていますが、65歳〜74歳の高齢者数が2015年の1,749万人をピークに減少傾向にあります。

その為、自民党では労働者人口の空洞化を補う目的と称して60歳の定年時期の延長を推進すると共に年金の60歳給付開始を65歳に遅延させる政策を打ち出しており、さらに給付時期を最終的には74歳まで遅延させようとする国会議員もいるのが嘆かわしい日本政府の実情です。

国民年金の保険料は、平均年収が460万円を超えていた平成10年には13,300円でしたが、平均年収が400万円代となった平成24年には14,980円に平均年収低下にかかわらず増額されており、平成29年には16,490円まで増額されています。

政府は、社会保障費に充当するとして3%〜8%へと消費税の引き上げが行われて来ましたが、本当に消費税が社会保障費に充当されているのかと言う疑問を抱く国民が大半を占めているのも現実です。

協会けんぽの医療保険料が現在の10.0%から2040年には11,5%まで引き上げられる見通し

現在に至るまでの消費税は、年金国庫負担2分の1の恒久化や安定財源の確保を大義名分として財源の置き換えが行われ、社会保障費に充当される消費税は皆無と断言するエコノミストも多くいます。

来年実施される消費税10%は、安倍政権お得意の社会保障の負担増や給付減少及び付け回し軽減で国民の負担は消費税と自己負担率の増加によりダブルで負担が増加する始末です。

その為、協会けんぽの医療保険料が現在の10.0%からピークとなる2040年には11,5%まで引き上げられるとされ、健保組は現在の9.2%から10.9%まで引き上げられる見通しです。

40歳〜64歳の介護保険料は、協会けんぽ及び健保組合共に1.5%代から約1.7倍に相当する2.6%まで増額され、同様に国民健康保険も現在の約2,800円から約1.6倍に相当する約4,400円まで増額される事から年代を問わず負担が大きくなります。

しかし、国からの都道府県に対する財政支援が3,400億円に増加した事で保険料の負担が低下した市町村もある一方で大半の都道府県で保険料が増加しており、都道府県の政策や基金によって保険料の負担の増加が推測されると共に都道府県によって格差が拡大すると危惧されているのが現状です。

 

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