子供も大人も要注意!マイコプラズマ肺炎とは?

マイコプラズマ肺炎とは

肺炎と言えば、お年寄りがかかる病気というイメージを持つ人が多いでしょう。
しかしマイコプラズマ肺炎の患者さんは子供や若い人で多く、40歳代までが大半です。
ほとんどの患者さんは、重い持病などはなく、健康な人たちです。

マイコプラズマ肺炎は、マイコプラズマと言う名前の病原体に感染することで発症します。
発症した人の咳のしぶきのついた手で鼻や口を触ると感染します。

冬に多いなどはなく、一年中みられる病気です。
感染力はそれほど強くないので、インフルエンザのように学校で広がるという可能性はありません。
しかし、家庭内で感染することは有るので、子供とお母さんが共にダウンするということはあり得ます。

もしも感染したとしても、軽症で済む人が多いです。
また自然に治ってしまう人もいるし、入院することなく薬を飲めば治ることが大半です。

そのため、マイコプラズマ肺炎を長引く風邪だと思って放置してるケースもあります。
このような場合は、重症化して呼吸困難を起こして救急搬送されるということもあるのです。

マイコプラズマ肺炎の症状について

マイコプラズマ肺炎の症状は、通常は2週間~3週間の潜伏期があり、その後気管支炎を起こします。
発熱や頭痛や体のだるさを訴えます。

咳はこれらの症状の後に遅れて出ることが多く、熱が下がった後も3~4週間ほど咳が続くことが特長です。
痰が出ることはほぼありません。

マイコプラズマが耳に侵入すると中耳炎に、胃腸に入ると嘔吐や下痢などを起こします。
このように呼吸器症状以外の症状が出る人が4割ほどいると言われています。

お年寄りが風邪のような症状が出れば用心するのに対して、若い人はとかく無理をしがちです。
そのせいか、時には肺に水が溜まって呼吸困難になってから初めて医療機関を訪れるという人もいます。

重症状態が長く続くと胚の組織が破壊されることもありますが、破壊された肺の組織は元には戻らないので、肺機能が低下して酸素吸入が日常的に必要となったケースもあるからです。

早く気づいて早く治療を受けることが大切

このような事態に陥らないためには、早く気づいて早く治療を受けることが大切です。
そのためには、次のような場合は、早めに内科を受診することをおすすめします。

強い咳が2~3週間以上続く、その咳は痰が絡まない空咳である、60歳未満、特に持病はない人に該当した場合です。

医療機関では、血液検査や胸のレントゲン撮影を行います。
炎症反応の数値が高いことや胸のレントゲンで白い影が見えれば診断は難しくないでしょう。

左右両方の肺が、白く映ることが多いです。
最近ではマイコプラズマ抗原を調べることもできるようになり、より正確に診断することが可能になっています。

治療は一般的な肺炎とは違った種類の抗菌薬を使います。
それは、一般的な肺炎の原因病原微生物は細胞壁があるのですが、マイコプラズマには細胞壁がないからです。

そのためペニシリン系の抗菌薬ではなく、マクロライド系の抗菌薬が第一選択薬となります。
薬を服用して2~3日で熱が下がるかどうかで、薬の効果を判断するのが一般的です。

手洗いやうがいがマイコプラズマ肺炎の感染予防として効果的

マクロライド系が効かない場合は、キノロン系やテトラサイクリン系を使います。

重症化してしまった場合は、入院してテトラサイクリン系の注射薬を使ったり、呼吸困難で肺の炎症が激しいと思われるときは、ステロイド薬の点滴などを行うこともあります。

子どもの場合は、テトラサイクリン系は骨の形成を一時的に抑制したり、歯が変色したりするなどの副作用が見られることもあるので、8歳未満には原則的には使いません。

そして、子どもの場合は自然に治ることも多いので、咳をしているけど元気そうな場合は何も薬を使わずに自然治癒力に任せるということもあります。

マイコプラズマ肺炎の感染を予防するには、やはり手洗いやうがいをしっかり行うことが大切です。
そして咳が出ている時は、マスクをするなどの咳エチケットも守る様にしましょう。