日本が抱える医療問題について

保険料の収入不足にどう対応するか?

日本では少子化及び高齢化の進展で、医療費の原資となっている税金と健康保険料の収入不足が見込まれています。
また少子化対策と高齢化対策とで出費が大きいためにその縮減に取り組んでいくことになりますが、その結果として医療が必要な人が医療機関の受診を手控える可能性が高まってしまうことも懸念されているところです。

健康保険証の計算では収入や所得などから計算がなされ、その保険料が決定されているところです。
社会保険の場合は労使折半で負担し、国民健康保険では市町村が定めていて上限はあるものの相応に高額になりやすいところとされています。
その保険料の負担に耐えかね支払いが出来ず、健康保険証を取り上げられてしまうケースも散見される時代です。

このように医療費の支払いやその原資となる保険料の負担は年々膨張を続けていることから、医療制度の改革を少しずつでも行っている状況にあります。
ただしこれらの対応は小手先ともいうべき対処療法の域を出ていないものです。
もっとこの健康保険料や医療費といったお金に関する医療問題への対策は、政治が主導して解決を行う必要があります。

地域住民の健康が脅かされる事態になってきている

医療の地域格差も深刻で、都市部であれば比較的多くの診療科を目にすることができますが一方で地方では人口減少に伴い医療機関の閉院や統廃合により、地域住民の健康が脅かされる事態となってきています。

地域に医療機関がないところでは遠方まで出向かざるを得なくなったり、あるいは出張にて治療に当たってくれる医師の受診を待たなければならない状態です。

元々、日本の医療制度は国民皆保険制度ということで、少しの負担で確実に必要な人が医療を受けられるという制度でした。

しかしながら時代の変化と社会情勢の変化によって、いつでも安心して医療が受けられる状況では無くなってきています。
そのことは結果として医療費の負担の格差などを招き、社会問題化している有様です。

医師も人口が少ない地域では稼ぐにも稼げない

医師や医療機関が地方にて働かないという問題もあります。
彼らにも生活があるわけですから、不便なところよりは都市部にあって就労したい、医療に当たりたいと思うものです。

人口が少ない地域でたとえば開業しようにも、そもそも収支に見合ったものとはなり得ない地域も現れているものですから、ある程度は効率化を図らざるを得なくなっています。

ドクターヘリなどの活用で急病者は大病院などへの搬送が出来る体制作りが始まってはいます。
しかしながらそこまでの急病ではない患者に対して、どのように治療を行っていくべきか各地域ごとで試行錯誤がスタートしているところです。

人口減少は今後も続くと考えられていて、都市部でも徐々にその気配が漂いつつあります。
人口の減少のスタートと世帯の減少も近日始まるといわれており、医療機関にかかる患者自体が少なくなったりあるいはいなくなる可能性も高まってきている状態です。

今後の日本における医療問題などをどう解決していくか?

医療を提供する医療機関の合従連衡や、ある程度の規模の地域に集中、集約させることで生き残りを図っていく取り組みも行われています。
今後、社会保障費が膨張を続けるためにその問題解決と、その他の問題への対応たとえば災害対策などでも医療の貢献が求められる時代です。

今までのような小手先の変更ではおぼつかなくなってきていますから、今後の日本における医療問題などをどう解決していくか、その方向性が問われています。

政治だけでは無く行政も、また医療サービスを提供する医療機関側も、これらの問題への取り組みが必要不可欠です。
受診する患者も不要不急の救急車の利用は避けるなどの他に、治療が必要になる前の予防についてもしっかりと対応が出来るようにすることで、医療費の膨張を避ける行動が求められています。