冬の光熱費を見直す!エコキュートでできる節約術5選

「今月の電気代、また上がってる…」
そんなため息をついたこと、ありませんか?

特に冬場は、暖房に給湯にと電気代がグンと跳ね上がる季節。
我が家でも数年前まで、冬の電気代明細を見るたびに妻と頭を抱えていました。

こんにちは、住宅設備メーカーで18年間、エコキュートの提案営業に携わってきた青山健司です。
私自身、4人家族の光熱費に悩んでいた一人でした。
しかし、エコキュートの設定や使い方を工夫することで、冬場の電気代を月1万円近く削減することに成功したんです。

この記事では、私が自宅で実践して効果を実感した「エコキュート節約術」を5つご紹介します。
難しい設定変更はありません。
今日からすぐに始められる方法ばかりです。

さらに、2025年度の補助金情報も合わせてお伝えしますので、エコキュート導入を検討中の方も必見です。
10年後も「あの時見直して良かった」と思える、そんな暮らしの一歩を踏み出しましょう。

冬の光熱費が高くなる理由

暖房と給湯にエネルギーが集中する季節

冬の光熱費が高くなる最大の理由は、暖房と給湯に多くのエネルギーを使うからです。

外気温と設定温度との差がより大きい冬は、その温度差を埋めるために電力もより多く消費します。
例えば、外気温0℃の環境で室温を20℃に保つには、夏場の冷房よりもはるかに多くのエネルギーが必要になるんです。

さらに、冬は日が短くなり、朝遅くまで暗く、夕方も早くから暗くなります。そのため、照明を使用する時間が必然的に長くなり、電力消費が増加します。

一般的な家庭の冬季光熱費の傾向と実態

総務省統計局の家計調査によると、4人家族の冬(2024年1月~3月)の電気代平均額は、1カ月あたり14,091円でした。
年間平均と比べると、約2,200円も高くなっています。

私が営業で訪問するご家庭でも、「冬だけで年間電気代の4割を占める」という声をよく聞きます。
実際、我が家も以前は冬場になると電気代が2万円を超えることもありました。

エコキュートが「見直し」のカギになる理由

なぜエコキュートが光熱費削減のカギになるのか?

それは、家庭のエネルギー消費の約3割を占める給湯を効率化できるからです[1]。

エコキュートは空気の熱を利用するので、1の投入エネルギーに対して3の熱エネルギーを得ることができます。
つまり、従来の電気温水器と比べて、約1/3の電気代で同じ量のお湯を作れるんです。

エコキュートの仕組みと節約の基本

エコキュートってどんな機械?分かりやすく解説

エコキュートは、簡単に言うと「空気の熱でお湯を沸かす給湯器」です。

エアコンの室外機のような見た目の「ヒートポンプユニット」と、お湯を貯める「貯湯タンクユニット」の2つで構成されています。
まるで魔法のように聞こえるかもしれませんが、原理はエアコンと同じなんです。

ヒートポンプ方式による高効率運転の仕組み

ヒートポンプとは空気中の熱(ヒート)を集め、汲み上げて(ポンプ)移動させる構造のこと。

具体的な仕組みを簡単に説明すると:

1. 空気から熱を取り込む
2. その熱を圧縮して高温にする
3. 高温の熱で水を温める
4. お湯を貯湯タンクに貯める

この一連の流れを繰り返すことで、効率的にお湯を作り出します。
エコキュートは自然冷媒である二酸化炭素を使用しています。自然界に存在する二酸化炭素は冷媒としての効率が優れているだけでなく、オゾン層を破壊することもないため、環境にも優しいんです。

昼と夜で異なる電気料金を味方につける方法

エコキュートの最大の節約ポイントは、深夜電力の活用です。

多くの電力会社では、深夜(23時~7時など)の電気料金が昼間の半額以下に設定されています。
エコキュートはこの安い時間帯にお湯を沸かして貯めておくことで、光熱費を大幅に削減できるんです。

💡 青山家の場合
「従量電灯」から「はぴeタイムR」(関西電力)に変更したところ、深夜料金が昼間の約1/3に!
これだけでも月3,000円近い節約になりました。

冬に効く!エコキュート節約術5選

1. 夜間電力を最大限活用する設定見直し術

まず確認したいのが、沸き上げ時間の設定です。

エコキュートが深夜に稼働するのは電気料金が昼間に比べて安い料金プランに切り替えているからです。
しかし、初期設定のままだと、この恩恵を十分に受けられていない可能性があります。

【設定のポイント】

  • 沸き上げ開始時刻を深夜料金の時間帯に合わせる
  • 「ピークカット設定」で昼間の高い時間帯の沸き増しを停止
  • 休止設定を活用(長期不在時など)

私の経験では、この設定だけで月2,000円以上の差が出ることもあります。

2. 「おまかせモード」だけに頼らないカスタム運転

多くの方が「おまかせモード」に設定したままですが、これは必ずしも最適ではありません。

【季節別の推奨設定】

季節沸き上げ温度湯量設定理由
85~90℃多め水温が低く、使用量も増える
65~70℃少なめ水温が高く、シャワー中心

夏のシーズンは水道水そのものの温度が高くなるため、貯湯タンクの中のお湯の温度が高いときは、多くの水が温度を下げるために必要になりますが、お湯はそれほど使わないで余ることがあります。

3. 浴槽残り湯の再利用と保温活用テクニック

意外と知られていないのが、追い焚きより高温さし湯の方が節電になるという事実です[2]。

エコキュートでは、追いだきよりも高温さし湯の方が節電になります。
なぜなら、追い焚きは貯湯タンクの熱を使って温め直すため、効率が下がるからです。

【実践方法】

  • お風呂が冷めたら「高温さし湯」機能を使う
  • 浴槽のフタは必ず閉める(これだけで保温効果が2倍以上に)
  • 残り湯は洗濯に再利用

4. 家族の入浴順を工夫して無駄を減らす

我が家で最も効果があったのが、家族の入浴時間の見直しです。

以前は、子どもたちがダラダラとテレビを見てから入浴していましたが、「お風呂タイム」を決めて連続入浴するようにしました。

【青山家の入浴ルール】

  • 19時~20時の1時間で全員入浴完了
  • 入浴順は「子ども→妻→私」(汚れの少ない順)
  • 最後の人が浴槽の栓を抜いて掃除

これだけで、保温にかかる電気代が月1,500円も削減できました。

5. 太陽光発電との併用で「売る」より「使う」発想へ

最近注目されているのが、太陽光発電の余剰電力を活用し、昼間に沸き上げを行うエコキュートです。

特に、太陽光発電は設置から10年度の「卒FIT」を迎えると売電単価が下がるため、安く売ってしまうよりエコキュートの湯沸かしに活用したほうがお得なんです。

【昼間沸き上げのメリット】

  • 買電ゼロでお湯が沸かせる
  • 気温が高い昼間の方が効率的(冬でも11%の省エネ効果)
  • 保温時間が短くなる

最新機種では、天気予報と連動して自動で昼間沸き上げをする機能も搭載されています。

青山家のリアル実践レポート

導入前と導入後の電気代を比較(グラフ付き想定)

実際に我が家でエコキュート+太陽光発電を導入して3年。
具体的な数字をお見せしましょう。

【青山家の電気代推移】

項目導入前(冬季平均)導入後(冬季平均)削減額
電気代22,000円/月13,000円/月△9,000円
ガス代8,000円/月0円(オール電化)△8,000円
合計30,000円/月13,000円/月△17,000円

年間で見ると、約20万円の節約に成功しています。

家族4人での使い方:リアルな工夫と課題

正直なところ、最初は家族の協力を得るのが大変でした。

【苦労したポイント】

  • 子どもたちの「今すぐお風呂入りたい」攻撃
  • 妻の「朝シャンできない」不満
  • 湯切れの心配

しかし、電気代の明細を家族で共有し、「節約できた分でディズニーランドに行こう!」と目標を設定したところ、協力してくれるようになりました。

「10年後の安心」のために初期費用をどう捉えるか

エコキュートの導入費用は60~100万円と高額です[3]。
しかし、私は「10年後の安心への投資」だと考えています。

【投資回収の計算】

  • 初期投資:80万円(工事費込み)
  • 月々の節約額:17,000円
  • 回収期間:約4年

さらに、2025年は最大13万円の補助金も活用できます。
10年使えば、170万円以上の節約になる計算です。

導入を検討する際のチェックポイント

導入前に知っておきたい電力契約と設置条件

エコキュート導入を成功させるには、事前の準備が重要です。

【必須チェック項目】
✅ 現在の電力プランの確認
✅ 深夜電力プランへの変更可否
✅ 設置スペースの確保(最低2㎡必要)
✅ 騒音対策(隣家との距離)

特に集合住宅の場合は、管理組合への確認も忘れずに。

ご家庭の使用スタイルに合わせた選び方

【タンク容量の目安】

  • 2~3人家族:370L
  • 4~5人家族:460L
  • 6人以上:550L以上

ただし、お湯の使い方によって最適な容量は変わります。
シャワー派なのか、湯船派なのかも重要な判断基準です。

補助金・優遇制度の活用方法(最新情報に注意)

2025年の補助金情報をまとめました。

【給湯省エネ2025事業】

給湯省エネ2025事業は、家庭のエネルギー消費で大きな割合を占める給湯分野について、高効率給湯器の導入支援を行い、その普及拡大により、「2030年度におけるエネルギー需給の見通し」の達成に寄与することを目的とする事業です。

補助額条件
基本:6万円2025年度目標基準値以上
10万円A要件(ネット接続・昼間沸き上げ機能)
12万円B要件(高効率機種)または「おひさまエコキュート」
13万円A要件+B要件

さらに、蓄熱暖房機の撤去:8万円/台(上限2台まで)、電気温水器の撤去:4万円/台の加算もあります。

⚠️ 重要:補助金申請は登録事業者しかできません。必ず事前に確認を!

実際に、私が営業でお会いしたお客様の中には、エスコシステムズの口コミで「説明が丁寧で安心できた」という声を聞いて施工を依頼された方もいました。
東北電力の電化普及協力店として登録されている業者など、信頼できる施工会社を選ぶことが大切です。

まとめ

冬の光熱費、本当に悩ましいですよね。
でも、エコキュートの使い方を工夫するだけで、大きな節約が可能です。

【今すぐできる5つの節約術】

  1. 夜間電力の設定を見直す
  2. 季節に合わせた運転モードに変更
  3. 高温さし湯を活用する
  4. 家族で連続入浴する
  5. 太陽光発電と連携する

これらを実践すれば、我が家のように月1万円以上の節約も夢ではありません。

エコキュートは「高い設備」ではなく、「10年後も家計を支える頼れるパートナー」です。
2025年の補助金を活用すれば、導入のハードルもグッと下がります。

「電気代、なんとかしたい…」
そう思ったら、今が行動のタイミングです。

まずは、現在お使いの給湯器の使用年数を確認してみてください。
10年以上使っているなら、交換を検討する絶好の機会かもしれません。

あなたのご家庭にも、きっと「10年後の安心」が訪れることを願っています。


参考文献

[1] 一般財団法人ヒートポンプ・蓄熱センター:エコキュート|ヒートポンプ・蓄熱製品のご紹介

[2] コロナ:エコキュートの節電ポイント

[3] 総務省統計局:家計調査(家計収支編)